引っ越し時の年金・健康保険の手続き|会社員とフリーランスで違う点
TL;DR
- 会社員は勤務先経由で手続き完了。自分で役所へ行く必要なし
- 国民健康保険加入者は旧住所で脱退→新住所で加入の2ステップ
- 年金は住所変更のみ。マイナンバーカードがあれば手続き不要の場合も
この記事が役立つ状況
- 対象者: 引越し後の年金・健康保険手続きをしなければならない人
- 直面している課題: 引越し後の年金・健康保険の手続き方法が分からない
- 前提条件: 引越し直後・社会保険または国民健康保険に加入している
会社員からフリーランスになって初めてわかった手続きの複雑さ
12回の引っ越しのうち、前半の引っ越しは会社員時代、後半はフリーランスとして行いました。会社員のときは「会社が全部やってくれる」と思っていたのですが、フリーランスになってからは年金・健康保険の手続きをすべて自分でやらないといけないことに気づき、最初はかなり戸惑いました。
特に困ったのが、フリーランス1年目に引っ越しをしたとき。国民健康保険の脱退と加入の手続きを正確に理解しておらず、二重払いになりそうになったり、保険証が手元にない期間ができてしまったりしました。
この記事では、会社員とフリーランスそれぞれの立場で、引っ越し時に必要な年金・健康保険の手続きを解説します。
会社員の場合
健康保険(社会保険)の手続き
結論:会社員の場合、自分での手続きは基本的に不要
会社の社会保険(健康保険組合または協会けんぽ)に加入している場合、住所変更は会社の人事・総務部門に連絡するだけです。
ただし、会社によって手続き方法が異なるため、以下を確認しましょう。
- 社内の住所変更届(Webシステムや紙の書類)に記入・提出
- 健康保険証の住所変更は、多くの場合カード表面の変更ではなく記録の変更のみ
- 家族を扶養に入れている場合は、家族の住所変更も同時に届け出る
いつまでに届け出る? 健康保険法・厚生年金保険法では被保険者の住所変更について事業主経由での届け出が求められており、会社によって「引っ越し後すみやかに」という運用がほとんどです。引っ越したら翌週の月曜日には総務に連絡する、くらいのペースで対応しましょう。
年金(厚生年金)の手続き
会社員の場合、厚生年金保険の住所変更は会社が日本年金機構に届け出ます。自分で直接手続きする必要はありません。
ただし、ねんきん定期便の送付先を正確にするために、マイナポータルや日本年金機構のウェブサービス(ねんきんネット)から自分で住所変更を届け出ることもできます。マイナポータルからオンラインで手続き可能です。
フリーランス・自営業者の場合
国民健康保険の手続き
フリーランスが加入する国民健康保険は、市区町村ごとに管理されています。そのため、市区町村をまたいで引っ越しをする場合は「脱退と加入」の手続きが必要です。
同一市区町村内の引っ越しの場合
- 転居届を提出すれば自動的に住所が更新される
- 特別な手続きは不要
別の市区町村への引っ越しの場合
旧住所での手続き(転出前または転出後に)
- 旧住所の役所の保険年金課へ
- 「国民健康保険の脱退(資格喪失)」の手続き
- 国民健康保険証を返却
- 「資格喪失証明書」を受け取る
新住所での手続き(転入後14日以内が目安)
- 新住所の役所の保険年金課へ
- 「国民健康保険への加入」の手続き
- 資格喪失証明書と転入届(または住民票)を持参
- 新しい国民健康保険証が発行される(即日または後日郵送)
注意:保険証のない期間が生じないように
転出から転入の間に保険証のない期間ができる場合がありますが、後から遡って加入手続きをすることで保険の適用を受けられます。この期間に病院を受診した場合でも、加入後に手続きをすれば保険の給付を受けられる可能性があります。ただし、できるだけ切れ目なく手続きすることが重要です。
国民年金の手続き
フリーランスが加入する国民年金の住所変更は、マイナンバーを登録している場合は原則として手続き不要です。住民票と連動して自動更新されます。
マイナンバーを登録していない場合は、日本年金機構または役所の年金担当窓口に住所変更届を提出します。
確認方法:
- ねんきんネット(https://www.nenkin.go.jp/n_net/)にログインして住所を確認
- マイナポータルから日本年金機構への住所変更申請も可能
転職と引っ越しが重なった場合
会社員からフリーランスへの転身と引っ越しが同時期に起きる場合は、特に注意が必要です。
私がまさにそのケースでした。退職と引っ越しが重なり、手続きが複雑になりました。
退職した場合の健康保険の選択肢
退職後は、以下の3つの選択肢から健康保険を選びます。
選択肢1:国民健康保険に加入
- 退職後14日以内に住所地の役所で手続き
- 保険料は前年の所得によって決まる(一般的に前年所得が高い場合は高額になる)
- 収入が低くなった場合は軽減制度あり
選択肢2:任意継続被保険者制度(元の会社の保険を続ける)
- 退職後20日以内に手続き(加入していた健康保険の窓口へ)
- 最大2年間、元の会社の健康保険を継続できる
- 保険料は全額自己負担(在職中の会社負担分もすべて自分が払う)になるため、国民健康保険より高くなる場合が多い
選択肢3:家族の扶養に入る
- 年収130万円未満の見込みであれば家族の扶養に入れる
- 保険料は無料
私がフリーランスに転身した際は、最初は任意継続を選びましたが、翌年から国民健康保険に切り替えました。収入が安定してきた段階で、どちらが有利かを計算してみることをお勧めします。
保険料の支払い方法と引き落とし先の変更
引っ越しに伴い、保険料の支払い方法や引き落とし先の変更が必要になる場合があります。
国民健康保険料の支払い
- 役所から納付書が送付される
- 口座振替(自動引き落とし)を設定している場合は、変更手続きが必要
- 新しい口座振替の申し込みは、新住所の役所または指定金融機関で
国民年金保険料の支払い
- 口座振替は引き続き同じ口座が使えることが多い
- ただし、引っ越し後に念のためねんきんネットやマイナポータルで確認を
保険料の減額・免除制度
引っ越しや転職などで収入が下がった年は、保険料の減額・免除制度を積極的に活用しましょう。
国民健康保険の軽減制度
- 前年の所得に応じて保険料が7割・5割・2割軽減される(所得の基準は市区町村によって異なる)
- 申請不要で自動的に適用される場合が多い(役所に確認を)
国民年金の免除・猶予制度
- 所得が低い場合、申請により保険料の全額または一部が免除・猶予される
- 毎年7月頃に更新が必要(前年の所得が審査される)
- 役所の年金担当窓口またはマイナポータルから申請可能
私はフリーランス1年目の収入が低かった年に、国民年金の一部免除を申請して助かりました。申請しないと損なので、収入が低い方は必ず確認してください。
引っ越し後の保険証について
フリーランスの場合、新住所の市区町村で国民健康保険に加入すると、保険証が交付されます。即日交付か後日郵送かは自治体によって異なります。
保険証が届くまでの間に医療機関を受診した場合は、全額自己負担になりますが、後日加入手続き完了後に差額を申請できる場合があります。ただし、事前に医療機関にその旨を伝えて確認しておくとスムーズです。
チェックリスト:引っ越し時の年金・健康保険手続き
会社員の場合
- 会社の人事・総務に住所変更を届け出る
- 健康保険証の情報が正しく更新されているか確認
- 扶養家族がいる場合は合わせて届け出る
フリーランス・自営業者の場合
- 旧住所:国民健康保険の脱退手続き(資格喪失証明書を受け取る)
- 新住所:国民健康保険への加入手続き(転入後すみやかに)
- 国民年金の住所変更確認(マイナンバー連携の場合は自動更新)
- 保険料の口座振替情報の更新
会社員とフリーランスの手続き比較
会社員:会社経由で健康保険・年金の住所変更が完了(窓口不要の場合多い)。フリーランス:市区町村窓口で国民健康保険・国民年金の手続きが必要。どちらも転入届提出後2週間以内が目安。
保険・年金の手続きを忘れた場合のリスク
健康保険の空白期間が生じると医療費が10割負担になります。年金の未納期間は将来の受給額に影響します。転入届と同日に手続きするのが最も確実です。
引っ越しを機に健康保険を見直す方法
フリーランスの場合、国民健康保険より任意継続保険や健康保険組合(業種別)の方が安くなるケースがあります。引っ越しのタイミングで保険の見直しをするのも一つの選択肢です。
会社員とフリーランスの引っ越し手続き比較
| 手続き | 会社員 | フリーランス | 期限 |
|---|---|---|---|
| 健康保険住所変更 | 会社の人事部門に届出 | 市区町村窓口で国保変更 | できるだけ早く |
| 年金住所変更 | 会社経由で自動更新 | 市区町村窓口で手続き | できるだけ早く |
| 窓口訪問 | 不要(会社が対応) | 必要 | 転入届と同日推奨 |
| マイナポータル活用 | 一部対応 | 活用推奨 | — |
あなたの状況で選ぶ
会社員 → 会社の人事・総務部門への届出だけで健康保険・年金の住所変更が完了。 フリーランス・自営業 → 転入届後に市区町村窓口で国民健康保険・国民年金の手続きを行う。 空白期間を作りたくない → 転入届と同日に保険手続きをまとめて行う。 保険料を下げたい → 引っ越しを機に国民健康保険の保険料を自治体間で比較してみる。
よくある質問(FAQ)— どう選ぶ?何が必要?
会社員の引っ越し時の健康保険手続きはどうすればいいですか?
会社員の場合は会社の健康保険組合が管理するため、会社の人事・総務部門への住所変更届出だけで対応できます。
フリーランスの引っ越し時の国民健康保険手続きは?
旧住所の市区町村で資格喪失手続き(脱退)を行い、新住所の市区町村で加入手続きを行います。転入届提出後に窓口で対応しましょう。
引っ越し後に年金事務所への手続きは必要ですか?
会社員は不要です。フリーランス・自営業者は市区町村の窓口で国民年金の住所変更手続きを行います。
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まとめ
年金・健康保険の手続きは、会社員かフリーランスかで大きく異なります。
会社員は会社に伝えるだけでほぼOKですが、フリーランスは自分ですべての手続きをしなければなりません。
特に国民健康保険の手続きは、市区町村をまたいで引っ越す場合に「脱退と加入」が必要です。この手続きを怠ると、医療費が全額自己負担になるリスクがあります。
転入届を提出する際に、同時に国民健康保険の加入手続きも済ませてしまいましょう。一度の来庁で複数の手続きが片付きます。
FAQ
Q01 会社員の引っ越し時の健康保険手続きはどうすればいいですか?
会社員の場合は会社の健康保険組合が管理するため、会社の人事・総務部門への住所変更届出だけで対応できます。
Q02 フリーランスの引っ越し時の国民健康保険手続きは?
旧住所の市区町村で資格喪失手続き(脱退)を行い、新住所の市区町村で加入手続きを行います。転入届提出後に窓口で対応しましょう。
Q03 引っ越し後に年金事務所への手続きは必要ですか?
会社員は不要です。フリーランス・自営業者は市区町村の窓口で国民年金の住所変更手続きを行います。
Author
越野さや
@hikkoshi_lab無類の引っ越し好き。これまで3都道府県で12回単身引っ越しをし、総額引っ越し費用は500万円を超える。引っ越しによって人生を変えてきた。人生を変えるには住む場所を変えるべきと思っている派。