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一人暮らしの部屋メンテナンス|退去時の原状回復を知っておく

🙂 越野さや 公開: 更新:

退去時に高額な清掃費を請求されて気づいたこと

初めての一人暮らしを終えて退去したとき、敷金からかなり大きな金額を引かれました。清掃費、壁の汚れ補修費、タバコのヤニ汚れなど、明細を見て愕然としたのを覚えています。当時はタバコを吸っていたので「それは仕方ない」という部分もありましたが、明らかに自分が原因ではないような費用まで含まれていて、戸惑いました。

後に「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(国土交通省)を読んで、借主が負担すべき費用と貸主が負担すべき費用の基準を初めて理解しました。このガイドラインを知っているかどうかで、退去時の費用は大きく変わります。

12回の引っ越しのうち、最初の3回は知識不足で余計な費用を払っていたと思います。4回目以降はガイドラインを把握した上で、入居時の写真撮影・日常のメンテナンス・退去時の交渉を実践することで、敷金がほぼ全額戻るようになりました。

この記事では、原状回復の基本知識と、日々の部屋メンテナンスで退去費用を最小化する方法を解説します。


原状回復の基本知識

借主が負担するもの

借主(あなた)が費用を負担すべき損耗は「故意または過失による損傷」「通常の使い方以上の使用による損傷」です。

具体例:

  • タバコによる壁・天井の黄ばみ、ヤニ汚れ
  • 結露を放置したことによるカビ・シミ
  • 不注意でつけたフローリングの傷や焦げ跡
  • 部屋でペットを飼い、柱や壁に傷をつけた
  • 壁に大量の画鋲穴や釘穴(一般的な画鋲の小さな穴は通常損耗とされることが多い)
  • 家具の移動時につけた大きなへこみ

貸主(家主)が負担するもの

「通常の使用による劣化」「経年変化」は貸主負担です。

具体例:

  • 年月による壁紙の自然な変色・薄汚れ
  • 日焼けによる床・壁の色あせ
  • 画鋲の小さな穴(一般的に認められる範囲)
  • 設備機器の経年劣化による不具合

ポイント:「普通に生活していてついた汚れや傷」は借主負担ではないのが原則です。ただし「普通に生活していれば防げた」損傷は借主負担になります。

ガイドラインの活用方法

国土交通省が公表している「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」は無料でダウンロードでき、具体的な事例とともに借主・貸主の費用負担区分が解説されています。退去時にトラブルが発生した際の根拠として使えるため、入居前または退去前に一度読んでおくことをおすすめします。


退去時の費用を最小化する日常メンテナンス

退去費用を抑えるために、日々の生活の中でできることをまとめます。

壁・天井のケア

結露対策が最重要

結露を放置するとカビが生え、壁紙に染み込むと補修費用が発生します。特に冬場は窓ガラスに結露が発生しやすく、そこから広がるカビが壁紙を傷める主な原因となります。

結露対策の方法:

  • 起きたらすぐに窓を10〜15分換気する
  • 除湿機や除湿剤を活用する
  • 結露した窓はその日のうちに拭き取る
  • 窓に断熱シートを貼ると結露が発生しにくくなる(100均でも購入可)

壁の汚れに気づいたらすぐ対処

壁についた軽い汚れは、時間が経つと取れなくなります。メラミンスポンジ(激落ちくん等)で早めに対処するのが基本です。ただし、素材によっては傷つく可能性があるので、目立たない箇所でテストしてから。

フローリングのケア

フローリングは日々の生活で傷がつきやすい場所です。

防止策:

  • 家具の脚にフェルトパッドを貼る(ドラッグストアで100〜300円程度)
  • 重い家具を動かすときは持ち上げて運ぶ(引きずらない)
  • 熱いフライパンや鍋を直接置かない

フローリングの傷は「フローリング補修キット」(ホームセンターで1,000〜2,000円程度)で自分で補修できるものもあります。退去前に目立つ傷を補修しておくと費用が下がる可能性があります。

水回りのケア

お風呂・洗面台

  • 毎週1回は浴室全体を掃除する
  • 使用後にシャワーで泡を流し、換気扇を回す習慣をつける
  • カビが出たらすぐにカビ取りスプレーで対処
  • 水垢は放置するほど取りにくくなる(クエン酸水で定期的に除去)

キッチン

  • ガスコンロやIHの油汚れは調理後に毎回拭き取る
  • 換気扇フィルターは月1回確認し、汚れたら交換または掃除
  • シンクの水垢はクエン酸水で定期的に除去

トイレ

  • 週1回は便器・床・壁を拭き掃除
  • 換気扇を常時運転または使用後に1時間回す

入居時に必ずやること

退去時のトラブルを防ぐために、入居時に行うべき確認があります。

部屋の傷・汚れを記録する

最重要:入居時に部屋全体を写真撮影することを強くお勧めします。

特に記録すべき箇所:

  • 壁・天井の傷や汚れ
  • フローリングの傷やへこみ
  • 壁紙の剥がれや変色
  • ドアや建具の傷
  • 水回り(汚れ、カビ、水垢)
  • 窓・網戸の状態
  • エアコンや照明などの設備の状態

写真はスマートフォンのカメラで撮影し、日付付きで保存(Googleフォトなどクラウドに保存しておくと確実)します。この写真が退去時に「入居前からあった傷」を証明する証拠になります。

私は入居時に100枚以上写真を撮るようにしています。最初の頃にこれをしていなかったせいで、入居前からあった傷の補修費まで請求されそうになったことがあります。

入居前確認書(チェックシート)を提出する

多くの賃貸では入居前に「設備確認書」や「チェックシート」が渡されます。これに既存の傷や汚れをすべて記載して提出することが重要です。

記載漏れがあると「退去時に新たについた傷」として扱われるリスクがあります。面倒でも丁寧に記入しましょう。提出した確認書のコピーは退去まで保管しておくと、トラブル時の証拠になります。


退去前の清掃

退去時には部屋を原状回復した状態で引き渡す必要があります。プロの清掃業者に依頼するよりも、自分でできる範囲で清掃しておくことで費用を抑えられます。

自分でできる退去前清掃チェックリスト

全体

  • 床のゴミ・ホコリを取り除く
  • 壁・天井の拭き掃除
  • 窓・網戸の掃除

キッチン

  • 換気扇・フィルターの油汚れを除去
  • コンロ・グリルの汚れを落とす
  • シンク内の水垢・ぬめりを掃除
  • 冷蔵庫の電源を切り、霜を取る(退去前日〜当日)

お風呂・洗面台

  • 浴槽・壁のカビ・水垢を取る
  • 排水口の詰まりを解消する
  • 洗面台の鏡・蛇口まわりの水垢を除去

トイレ

  • 便器・床・壁の徹底清掃
  • タンク回りのカビ除去

その他

  • エアコンのフィルター掃除(退去前に完了)
  • 玄関の清掃

退去費用についての交渉

退去時に高額な原状回復費用を請求された場合、すべてを受け入れる必要はありません。

確認すべきポイント

  1. 明細書を必ず要求する:「〇〇万円」という総額だけでなく、何にどれだけかかるかの明細を求めましょう
  2. 国土交通省のガイドラインを確認する:「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」は無料でダウンロードできます
  3. 「通常損耗」は借主負担ではない:経年変化や通常の使用による劣化の修繕費は貸主負担
  4. 消費者センターに相談できる:不当な請求に対しては、消費者生活センターに相談する権利があります

私は6回目の引っ越しのとき、退去費用の明細をもらい、ガイドラインと照らし合わせたところ、貸主負担と思われる費用が含まれていたため、交渉して一部を減額してもらいました。

退去費用の相場感(目安)

退去時に発生しうる主な費用の目安を把握しておくことで、不当な請求に気づきやすくなります。

項目目安
ハウスクリーニング(1K)30,000〜60,000円程度
壁紙張り替え(1㎡あたり)1,000〜2,000円程度
フローリング補修(1箇所)10,000〜30,000円程度
エアコンクリーニング10,000〜20,000円程度

上記はあくまで目安で、地域・業者・物件の状態によって大きく異なります。明細書の金額が相場から大きく外れる場合は、交渉の余地があります。


まとめ

原状回復と部屋メンテナンスの大切なポイント:

  1. 入居時に写真を撮る(100枚以上・クラウドに保存)
  2. 入居前確認書に既存の傷を記録する
  3. 結露を毎日対処する(カビ発生を防ぐ)
  4. 家具の脚にフェルトパッドを貼る(フローリング傷防止)
  5. 水回りを週1回掃除する
  6. 退去時は明細書を必ず確認し、不当な費用は交渉する

日々の小さなケアが退去時の大きな出費を防ぎます。特に入居時の写真撮影は「5分の投資で数万円が戻ってくる」可能性がある最重要アクションです。国土交通省のガイドラインは引っ越し前に一度読んでおくだけで、退去時の知識として大きな力になります。

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note

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Author

越野さや

@hikkoshi_lab

無類の引っ越し好き。これまで3都道府県で12回単身引っ越しをし、総額引っ越し費用は500万円を超える。引っ越しによって人生を変えてきた。人生を変えるには住む場所を変えるべきと思っている派。