引っ越し業者の選び方と見積もりの裏側|12回経験者が教える業者比較のコツ
最初の引っ越しで、私は4万円損した。
「どこも同じだろう」と思って最初に電話した1社だけで即決した。後から友人が同じ時期・同じ距離・同じ荷物量で2万6千円で済ませたと知って、頭を抱えた。業者によってここまで違うのかと。
あれから12回引っ越した。北海道から九州まで、単身で、トラック1台で、何度も繰り返してきた。その経験から言える。引っ越しの料金は「比べ方」で決まる。
この記事では、一括見積もりの使い方・繁忙期と閑散期の料金差・見積もり時に絶対やってはいけないこと・業者選びのポイントを、実体験ベースで書く。
一括見積もりサイトは「出口戦略」を決めてから使う
引っ越し業者の比較に「一括見積もりサイト」を使う人は多い。SUUMOやHOME’Sとも連携している引越し侍やSUUMO引越し見積もりが有名どころだ。
仕組みは単純で、条件を入力すると複数の業者に一斉に見積もり依頼が飛ぶ。無料で使えて、相見積もりを自動でとれるのが便利だ。
ただし、落とし穴がある。
一括見積もりを送信した瞬間から、電話が鳴り止まなくなる。
私が初めて使ったとき、送信から30分以内に7社から電話がきた。昼休みに送ったのに、午後の仕事が手につかなかった。各社「いつなら訪問見積もりできますか」と聞いてくる。断り慣れていない人は、最初にかかってきた会社に押し切られやすい。
対策は2つ。
- フォームの「電話NG・メールのみ希望」にチェックを入れる(あれば)。これで電話の本数はかなり減る。
- 送信する前に「返答しない業者を決める」。有名でも口コミが低い業者は最初から除外するリストを頭の中で作っておく。
サイトはあくまで「選択肢を増やすための道具」だ。比較する気がないなら使わなくていい。
繁忙期と閑散期で、これだけ料金が変わる
引っ越し業者の料金は、時期によって大きく動く。
| 時期 | 料金の目安(単身・近距離) |
|---|---|
| 閑散期(5月〜1月の平日) | 3万〜5万円 |
| 通常期(2月・平日) | 5万〜7万円 |
| 繁忙期(3月中旬〜4月上旬) | 8万〜15万円 |
3月の土日に都内で単身引っ越しをすると、10万円を超えることは珍しくない。同じ距離・同じ荷物量でも、日付が違うだけでこれだけ差が出る。
私が一番「やってよかった」と思う選択は、繁忙期に引っ越しを避けたことだ。4年前、大阪から東京への引っ越しを4月中旬にずらしたことで、3月末の見積もりより6万円安くなった。
日程に融通が利くなら、以下を意識するだけで数万円変わる。
- 3月15日〜4月15日を避ける(繁忙期のピーク)
- 土日・祝日より平日を選ぶ(1〜2万円差になることが多い)
- 月末(25〜31日)を避ける(退去が集中するため業者が混む)
新居の契約日の都合でずらせない場合は仕方ない。ただ、学生や転職者で日程を自分で決められるなら、まず日程を決める前に繁忙期かどうかを確認することを強くすすめる。
見積もり時に「絶対言ってはいけない言葉」
ここが一番重要だ。
見積もりの場で、担当者はいくつかの「情報」を探っている。その中で、言ってしまうと交渉力がゼロになる言葉がある。
絶対に言わないこと
「早めに決めたいので」
これは「急いでいる=他を断る余裕がない」というシグナルになる。業者側は値引きする必要がないと判断する。
「予算は○○万円以内で」
上限を先に言うと、その金額ギリギリに合わせて見積もりが出てくる。予算を聞かれたら「他社の見積もりと比較してから判断する」と答えれば十分だ。
「他は使ったことがないので」
比較対象がないと伝えることと同じだ。実際は他社に依頼していなくても、「他にも何社か見積もりをとっています」と言うだけで担当者の態度は変わる。
代わりに言うといいこと
- 「他社でも見積もりをとっています。一番条件がよいところに決めます」
- 「○○日までに決める予定ですが、いい条件が出れば早めに決めます」
- 「オプションは最小限でいいです。基本料金を教えてください」
見積もりは交渉の場だ。担当者は「この客はどれだけ値引きしなければ取れないか」を判断しながら話している。こちらも同じ目線で、情報を小出しにすることが必要だ。
業者選びのチェックポイント3つ
複数の見積もりが出揃ったら、以下の3点で判断する。
1. 訪問見積もりかどうか
電話やウェブだけで完結する「簡易見積もり」は、当日に追加料金が発生しやすい。荷物量を実際に見ていないため、「想定より多かった」という理由でプラス請求されることがある。
単身引っ越しでも、荷物が段ボール10箱を超えるなら訪問見積もりを要求する。 優良業者は「見ないと正確な料金は出せない」と言う。それが誠実な対応だ。
2. 口コミの「悪い評価」を読む
Googleマップや引越し業者比較サイトの口コミは、★5のものより★1〜2のものを先に読む。
よく出てくる悪い口コミは:
- 「当日に担当者が変わっていた」
- 「追加料金を当日に言われた」
- 「荷物に傷がついていたが対応が悪かった」
この3パターンが複数レビューに出ている業者は避けたほうがいい。
3. 「当日の担当者は誰か」を確認する
見積もりに来た人が当日も来るとは限らない。特に繁忙期は、見積もり担当と作業スタッフが別々になることが多い。
私は3回目の引っ越しで、見積もり担当は丁寧だったのに当日のスタッフが雑で、大切にしていた本棚のガラス扉を割られた経験がある。
「当日の作業チームは誰が来ますか?外注ですか、自社スタッフですか?」
この質問を見積もり時に投げてみる。答えに詰まるか、はっきり答えるかで、業者の信頼感はかなり測れる。
段取りのまとめ
- 日程を決める前に繁忙期かどうかを確認する
- 一括見積もりサイトで3〜5社に依頼する(電話NG設定を忘れずに)
- 訪問見積もりを依頼する(断られたら候補から外す)
- 見積もり時は「予算・急ぎ・他社未比較」を言わない
- 口コミの悪い評価を確認し、当日担当者を必ず聞く
初めての引っ越しで損しないために必要なのは、特別な知識ではない。「比べること」と「言わないこと」の2つだけだ。
引っ越し業者が決まったら、次は梱包と手続きが始まる。何から手をつければいいかわからない人は、こちらの記事も参考にしてほしい。
→ 初めての一人暮らし引っ越し、2ヶ月前から始める完全チェックリスト
より詳しい交渉スクリプト(実際に使った文言)や、業者別の特徴比較・地方別の料金相場については有料noteにまとめている。