引っ越し日程の決め方|最安値になる曜日・時間帯・時期
はじめに:日程を変えるだけで10万円変わった話
引っ越しを12回経験した私が、最も「費用に直結する」と実感しているのが「日程の選び方」だ。
3回目の引っ越しのとき、3月末の土曜日に引っ越した。費用は12万円だった。その翌年、ほぼ同じ荷物・同じ距離で5月の平日に引っ越したら、費用は5万5,000円だった。差額は6万5,000円。同じ人間の、同じ荷物の、同じ距離の引っ越しで、これだけの差が出る。
日程選びは引っ越し費用を下げる最強の武器だ。今回は、12回の経験から導き出した「最安値になる日程の法則」を徹底解説する。
引っ越し料金が高い「3つの条件」
料金が跳ね上がる条件を先に知っておこう。
条件1:繁忙期(3月・4月)
引っ越し業界の最繁忙期は3月中旬〜4月上旬だ。新入社員・大学生の入学・転勤族が集中するため、業者の予約が埋まり、料金が通常の1.5〜2倍以上になることが多い。
一括見積もりサービスで同じ条件で繁忙期と閑散期を比較すると、繁忙期は3割〜2倍近い差が出ることがある。これは需要と供給のバランスによるものであり、特定の業者だけの問題ではなく、業界全体の傾向だ。
実体験:ある年の3月末、見積もりで「この日は空きがほぼありません。早急にご決断を」と言われた。焦って契約しそうになったが、少し日程をずらして4月中旬にしたところ、同じ業者で料金が4万円以上下がった。
条件2:土曜日・日曜日・祝日
週末は会社員や学生が動きやすいため、依頼が集中する。業者側も人件費が割増になるため、料金に転嫁される。特に「月末の週末」は最も高くなりやすい。
業者によって異なるが、一般的に週末は平日より1〜3万円程度高くなることが多い(荷物量・距離によって差は変わる)。
条件3:午前便
「午前指定」は業者のスケジュール上、早起き・残業なしで組みやすいため人気が高い。午前便の方が午後便より数千円〜1万円程度高くなることが多い。これは需要の集中によるものだ。
最安値になる「黄金の日程」
時期:5月〜2月の閑散期
引っ越し繁忙期(3〜4月)を外すだけで、劇的に安くなる。特に以下の月は閑散期で狙い目だ。
- 5月〜7月:新生活が落ち着き、業者に余裕がある
- 9月〜11月:秋の閑散期。業者が仕事を取りたがる
- 1月〜2月:寒いが最も安い時期
閑散期の料金目安(単身・同市内):3〜5万円程度 繁忙期の料金目安(単身・同市内):8〜15万円程度
これらの数字はあくまでも目安であり、荷物の量・距離・建物の条件によって大幅に変わる。必ず複数社から見積もりを取ることをおすすめする。
曜日:平日(月〜金)
平日は週末に比べて明らかに安い。業者によっては「平日割引」を設けているところもある。仕事を1日休む必要があるが、差額が1〜2万円以上になるなら十分元が取れる。
差額の目安:平日 vs 週末 = 1〜3万円の差(条件次第)
有給休暇を使える環境なら、平日の閑散期に引っ越すことで最も費用を抑えられる。
時間帯:午後便(フリー便)
「フリー便(時間帯おまかせ便)」を選ぶと、業者側がスケジュールを最適化できるため、大幅に安くなる。午前指定より数千円〜1万円安くなることが多い。
ただし、到着時間が午後13時〜18時とバラつくため、新居の鍵引き渡しや電気・ガスの開栓手続きと被らないよう注意が必要だ。特にガスの開栓は立会いが必要なため、「フリー便で到着が遅れてガス屋さんと時間が合わない」というトラブルが起きやすい。フリー便を選ぶ場合は、ライフライン開通の予約を遅めの時間帯に設定しておくか、翌日に設定しておくと安心だ。
月末 vs 月初め:どちらが安い?
一般的には「月末は高い」と言われているが、これは半分正解で半分間違いだ。
- 月末の週末:最も高い(家賃の切り替え・転勤族の移動タイミング)
- 月末の平日:それほど高くない場合もある
- 月初めの平日:閑散期なら最安値圏
家賃の節約(二重払いを避けるため月末に引っ越す人が多い)と引っ越し費用のバランスを考えると、「月の中旬の平日」が最もトータルコストが低くなりやすい。
なお、「家賃の二重払い」を避けることも引っ越しコスト全体に影響する。新居の家賃開始日と旧居の退去日を近くすることで、無駄な家賃の重複を防げる。
「大安・仏滅」で料金は変わる?
六曜(大安・友引・先勝・先負・仏滅・赤口)は、引っ越し料金に影響する場合がある。
- 大安・友引:縁起が良いとして人気 → 予約が集まりやすく高め
- 仏滅:縁起が悪いとして避けられる → 予約が少なく安め
ただし、重要な点として、六曜はあくまで人々の「縁起の好み」によるもので、科学的・制度的に引っ越しの良し悪しを決めるものではない。「大安に引っ越すと運気が上がる」「仏滅に引っ越すと悪いことが起きる」という根拠は存在しない。
また、業者によって六曜を料金に反映させているところとそうでないところがある。見積もり時に「仏滅の日はどうですか?」と聞いてみるのも手だ。
私の経験:仏滅に引っ越したことが3回あるが、何も悪いことは起きていない。縁起を気にしない人には仏滅は狙い目だ。
日程が自由に選べない場合の対策
転勤・学校の関係で時期が固定される場合
3〜4月の繁忙期にどうしても引っ越さなければならない場合でも、できることはある。
対策1:平日に引っ越す 週末よりも平日の方が数万円安い。有給休暇を使う価値は十分ある。
対策2:予約を早める 繁忙期でも、2〜3ヶ月前に予約すると「早期予約割引」が効く場合がある。直前(1〜2週間前)の予約は最も高い。業者の予約枠も埋まりやすいため、早期予約は費用節約と予約確保の両面で有効だ。
対策3:荷物を減らす 荷物の量が減れば、小さいトラック・少ない人員で済む。繁忙期前に不用品を処分しておくと、費用が下がる可能性がある。荷物を半分にできると、料金も一定程度下がることが多い。
対策4:フリー便にする 繁忙期でも時間指定をなくすだけで、数千円〜1万円下がることがある。
対策5:単身パックを活用する 荷物が少ない単身引っ越しなら、大手業者の「単身パック」(専用ボックスを使ったプラン)が繁忙期でも比較的手頃な場合がある。段ボール10〜15箱程度の荷物なら検討する価値がある。
引っ越し費用の季節変動:具体的なイメージ
引っ越し業界では、一般的に以下のような季節変動があるとされる(あくまでも一般的な傾向であり、実際は業者・地域・条件によって異なる)。
| 時期 | 需要 | 料金の傾向 |
|---|---|---|
| 1月〜2月 | 閑散期 | 最も安い |
| 3月〜4月上旬 | 繁忙期 | 最も高い |
| 4月中旬〜5月 | 落ち着き始め | 徐々に下がる |
| 6月〜8月 | 夏の閑散期 | 比較的安い |
| 9月〜11月 | 秋の閑散期 | 安め |
| 12月 | 年末で動き多め | やや上がる場合も |
この傾向はあくまでも目安だ。実際は毎年の経済状況・業者の競合状態・燃料費の変動等によっても変わる。
最安値を狙う日程チェックリスト
引っ越し日程を決める際の確認リストだ。
- 5月〜2月の閑散期か?(YES → 大幅節約可能)
- 平日(月〜金)か?(YES → 1〜3万円節約の可能性)
- 時間帯フリー便か?(YES → 数千円〜1万円節約の可能性)
- 月の中旬か?(YES → 月末・月初より安い可能性)
- 仏滅・赤口など避けられる日か?(YES → 縁起を気にしないなら安い可能性)
- 2ヶ月以上前に予約しているか?(YES → 早期割引の可能性)
- 複数社から見積もりを取って競合させているか?
実際に節約できた金額:具体例
| 引っ越し | 日程 | 費用 |
|---|---|---|
| 3回目 | 3月末・土曜・午前便 | 12万円 |
| 4回目 | 5月中旬・水曜・フリー便 | 5.5万円 |
| 8回目 | 1月・火曜・フリー便 | 4万円 |
| 11回目 | 3月中旬・平日・フリー便 | 8万円 |
4回目と3回目の差額:6.5万円。同じような規模の引っ越しで、日程だけでこれだけ変わる。
まとめ
引っ越し費用を下げる最大の方法は「日程選び」だ。業者を比較する前に、まず「いつ引っ越すか」を戦略的に考えよう。
理想の日程順に並べると:
- 閑散期(5〜2月)の平日・フリー便
- 閑散期の週末
- 繁忙期の平日・フリー便
- 繁忙期の土日・午前便指定(最も高い)
どうしても繁忙期に引っ越さなければならない場合も、「平日にする」「フリー便にする」「早めに予約する」の3点を守るだけで、数万円の節約ができる可能性がある。
日程の柔軟性こそが最強の節約術だ。引っ越しの計画は早めに立て、可能な限り閑散期・平日・フリー便の組み合わせを目指してほしい。
Author
越野さや
@hikkoshi_lab無類の引っ越し好き。これまで3都道府県で12回単身引っ越しをし、総額引っ越し費用は500万円を超える。引っ越しによって人生を変えてきた。人生を変えるには住む場所を変えるべきと思っている派。