築古物件vs築浅物件|コスパで選ぶ正しい判断基準
築35年の物件に住んで学んだこと
3年目の引っ越しのとき、駅徒歩3分・1DK・家賃5.5万円という好条件の物件に惹かれて即決しました。築35年の木造アパートでしたが「古いだけで普通に住めるだろう」と軽く考えていました。
入居して最初の夏、ゴキブリが出ました。それも1匹ではなく、週に1〜2回のペースで見かけるようになりました。隙間だらけの玄関ドアから外気がそのまま入ってきて、冬は暖房が効きにくく光熱費が跳ね上がりました。隣の部屋の話し声が壁越しに聞こえ、睡眠が妨げられることも何度もありました。
一方で、6回目の引っ越しで選んだ築8年・RC造の物件は家賃が2万円高くなりましたが、虫はほぼ出ず、防音も良好で、2年間非常に快適に過ごせました。
この2つの経験から、「築年数」と「コスパ」の関係について正直にお伝えします。
築古・築浅の定義と一般的な相場差
築年数の区分(一般的な目安)
| 区分 | 築年数 | 特徴 |
|---|---|---|
| 新築 | 0〜1年 | 誰も住んでいない・設備最新 |
| 築浅 | 2〜10年 | 設備が比較的新しい・キレイ |
| 中古(普通) | 11〜20年 | 設備の一部が古くなってくる |
| 築古 | 21〜30年 | 設備の老朽化・リノベ物件も多い |
| 超築古 | 31年以上 | 旧耐震基準の可能性もある |
家賃差の実態(東京都内・1DKの比較)
| 築年数 | 平均家賃(23区外・駅徒歩10分) |
|---|---|
| 築1〜5年 | 9〜10万円 |
| 築6〜10年 | 8〜9万円 |
| 築11〜20年 | 7〜8万円 |
| 築21〜30年 | 6〜7万円 |
| 築31年以上 | 5〜6万円 |
築年数が10年変わるごとに、おおよそ1万円前後の家賃差が生じる傾向があります。
築古物件のメリット
メリット1:家賃が安い
最大のメリットです。同じ立地・間取りなら、築30年超の物件は築10年以内の物件と比べて月1〜3万円安くなることがあります。年間12〜36万円の差は、家計に大きく影響します。
メリット2:広さに対してコスパが良い
築古物件は、同じ家賃帯でより広い部屋を選べることが多いです。「家賃6万円で1LDKに住みたい」という場合、築浅では難しくても築古なら見つかることがあります。
メリット3:リノベーション物件はコスパが抜群
築古物件をリノベーションした物件は、骨格(構造)は古いものの、内装・キッチン・浴室・洗面台・フローリングなどが全面新しくなっています。見た目は新築同然でありながら、家賃は築浅より安いことが多く、「コスパ最高」と感じる物件が多いです。
メリット4:競争率が低い
人気が低い分、申し込みが重なりにくく、気に入った物件を確保しやすいです。
築古物件のデメリット
デメリット1:害虫が出やすい
これが最も多くの人が直面する問題です。古い建物は隙間が多く、ゴキブリ・ムカデ・シロアリなどが侵入しやすい環境になっています。特に木造・築30年以上の物件は要注意です。
対策として、入居前の防虫処理・バルサンの使用・隙間テープの貼り付けなどが有効ですが、完全に防ぐことは難しいです。「虫が絶対嫌」という人は、築古物件は選ばない方が精神的に楽です。
デメリット2:防音性が低い(木造の場合)
木造(W造)の建物は構造上、音が伝わりやすいです。隣室の生活音・上階の足音が筒抜けになることがあります。RC造(鉄筋コンクリート)やSRC造(鉄骨鉄筋コンクリート)の物件なら、木造より防音性が高いですが、築古RC物件でも気密性が低下していることがあります。
デメリット3:設備が古い・壊れやすい
給湯器・エアコン・換気扇・水栓金具などが古い場合、故障のリスクが高まります。故障した場合は貸主が修繕する義務がありますが、「対応が遅い」「古い部品が手に入らない」といった問題が起きることがあります。
デメリット4:断熱・気密性が低い
旧来の建物は断熱材が薄い・ない場合があります。夏は暑く冬は寒い部屋になりがちで、光熱費が増える原因になります。
デメリット5:旧耐震基準の可能性
1981年6月以前に建築確認を受けた建物は「旧耐震基準」の可能性があります。旧耐震基準の建物は、震度6〜7規模の地震への耐性が現行基準よりも低い場合があります。
築40年以上の物件を検討する場合は、物件の「耐震診断の有無」を確認することを強く推奨します。
築浅物件のメリット
メリット1:設備が新しく快適
最新の設備(追い炊き機能付き浴室・浴室乾燥機・IHクッキングヒーター・宅配ボックスなど)が整っている場合が多いです。故障リスクも低く、快適な生活が続きやすいです。
メリット2:防音性が高い(構造による)
RC造・SRC造の築浅物件は、防音性が高く快適な住環境を期待できます。特に「LL-45以下(防音等級が高い)」と表記された物件は、上下階の音が伝わりにくいです。
メリット3:気密性・断熱性が高い
現代の建物は断熱材の施工基準が向上しており、冬の寒さ・夏の暑さを抑える性能が高いです。光熱費の節約にもつながります。
メリット4:安心感がある
新耐震基準(1981年以降)の建物であることが保証されており、地震への備えという観点で安心できます。
築浅物件のデメリット
デメリット1:家賃が高い
これが最大のデメリットです。設備・快適性のコストが家賃に反映されています。
デメリット2:競争率が高い
人気が高いため、内見から申し込みまでのスピードが求められます。「少し考えます」と言っている間に他の人に取られることが頻繁にあります。
デメリット3:広さに制限が出ることがある
同じ家賃帯だと、築浅の方が面積が小さくなる傾向があります。
「築年数」より「構造」を重視する
築古・築浅の判断において、僕が最も重視するようになったのは「構造(建物の材質)」です。
構造別の特徴
| 構造 | 防音性 | 耐震性 | 気密性 | 家賃 |
|---|---|---|---|---|
| 木造(W造) | 低 | 低〜中 | 低 | 安い |
| 軽量鉄骨造(S造) | 中 | 中 | 中 | 中 |
| RC造(鉄筋コンクリート) | 高 | 高 | 高 | 高め |
| SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート) | 非常に高 | 非常に高 | 高 | 高い |
「築20年のRC造」は「築5年の木造」より防音性・耐震性・気密性において優れていることが多いです。築年数だけで判断せず、構造も必ず確認しましょう。
コスパで選ぶ判断基準
築古物件を選ぶべきケース
- 家賃をとにかく抑えたい
- 立地(駅近・人気エリア)を優先したい
- リノベーション物件で内装が新しい
- 害虫対策を自分でできる・気にしない
- 構造がRC造以上
築浅物件を選ぶべきケース
- 虫が絶対に嫌
- 防音を重視する(楽器演奏・在宅ワーク・早起きなど)
- 設備の快適さを重視する
- 長期(3年以上)住む予定がある
- 家賃に余裕がある
「築古×RC造×リノベ済み」が最強コスパ
12回の引っ越しで僕が到達した結論は、「築古×RC造×リノベーション済み」の物件が一人暮らしのコスパ最強だということです。
- 家賃:築浅より安い
- 内装:リノベ済みでキレイ
- 防音:RC造なので良好
- 設備:リノベ時に更新されていることが多い
このタイプの物件はSUUMOやHOMESで「リノベーション物件」「リフォーム済み」で検索すると見つけやすいです。
まとめ:築年数は「構造と内装」とセットで判断する
「築○年だから古い」ではなく、「構造は何か」「内装はリノベされているか」「耐震診断は受けているか」の3点と組み合わせて判断することが重要です。
コスパを最優先するなら築古RC造リノベ物件を探す価値があります。快適さを最優先するなら築10年以内の物件が安心です。自分の優先順位を明確にして、後悔のない選択をしましょう。
Author
渡邊悠介
12回の引っ越し経験者。引っ越しの失敗と成功を繰り返してきた。その経験をもとにリアルな情報を発信中。